『ごぉすと すとぉりぃ』
「・・・振り向くと、そこには血まみれの女の人が――」
「ぎゃ〜!!鞍智、もうやめてくれ〜〜!!!」
「ははは。恐がりだなぁ、鉄生くんは。」
「鞍智先生、話すの上手すぎですよぉ・・・」
現在P.M.9:00、気温28度。まさに熱帯夜。
仕事が一段落した俺たちは、暑さを凌ぐべく二科の一室で怪談話をしている。
俺はさっきから犬を潰しそうな勢いで抱きしめながら、鞍智の話を聞いていた・・・が、限界。
「も、もうやめよ〜ぜ〜。俺今夜、永田似園で一人なのに、怖くて眠れねーよ・・・」
今朝、ジジイが「温泉じゃ〜!」と言いながら子ども達を連れて旅行に行ってしまったのだ。
「あのジジイ、普段ケチなくせに、よくあんな大人数を連れて行ったな・・・」
「なんでも、福引きで『家族』旅行券が当たったらしいですよ。」
「家族って人数じゃねーだろ・・・そうだ、鞍智!今日園に泊まらないか?な?そうしようぜ。」
「俺はまだ仕事が残ってるんだ。それに、幽霊なんてホントにいるわけないだろう。ばかばかしい・・・」
うぅ・・・相変わらず血も涙もないヤツだよ・・・
瀬能さんはこの後用があるって言ってたし、用が無かったとしても誘う訳にいかねーよな。
・・・残るは隣で誘われるのを待っているかのように俺に笑顔を向けているヤツだけだが、コイツは危険だ。
「しょうがねぇ。帰るか、犬。」
「ワウ!」
俺は帰ろうとイスから立ち上がった。
う・・・なんか、視線が痛いんですケド・・・
振り向くと案の定。
「僕は誘ってくれないのかい?」
「なんでわざわざ自分から身の危険を冒さなきゃなんねーんだよ。」
「残念だなぁ、こんなチャンスめったにないのに・・・まぁ、キミがそう言うなら仕方ないか。」
あれ?案外あっさり退いたな。真夏の雪でも降るんじゃないのか?
・・・・・
とりあえず布団に入ったものの、やっぱり眠れない。
犬は俺の気も知らずフツーに寝てやがるし・・・
あぁ・・・天井のシミが人の顔に見える。
こんな時に限って、さっきの話を思い出すんだよなぁ。
――ガタンッ!
な、何だ?今の音・・・まさかドロボー!?
いや、そんなはずはない。今日はきっちり戸締まりをして、カーテンまで閉めたはず。
ミシッ、ミシッ・・・
こっちに来る!
ウソだろ〜、まさかホントに幽霊!?
俺は布団を頭までかぶって、目をギュッと瞑った。
ミシ・・・
足音が部屋の前で止まった。
カチャ。
は、入ってきた〜〜!!!
俺は震えながら心の中で念仏をひたすら唱えた。
その時、急にズシッと体が重くなった。これが俗に言う「金縛り」なのだろうか。
「脅えちゃって、カワイーなぁ。ホント食べちゃいたいくらい♥」
え゛っ!俺食べられちゃうのかよ!?
「お願い!食べないでぇ!!」
って・・・ん?この声とセリフは・・・
「おまっ、陵刀!!」
「正解♪」
俺は陵刀ごと布団を跳ね飛ばした。
「お、お前・・・ここで何して・・・ってか、どうやって入ったんだよ!?」
「ん〜、企業秘密♥ところでさっきの話だけど・・・」
「さっき?」
「そろそろ食べちゃってイイ?」
有無を言わさず再び陵刀がのし掛かってくる。
「ウソだろぉ〜!?」
恐怖の夜はまだまだ続くのだった。。。
*終わっていいですか?*
こんなオチばっか(汗)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
〜あとがき兼いいワケ〜
夏ということで、ちょっぴり怖い話をば・・・え?全然怖くないって?そうですよね。スイマセン(汗)
相変わらずの超駄文で・・・精進しますm(__)m
ウチの陵刀センセがだんだん変態になっていってます。
何故かって?それは鉄生への愛故に・・・ウソです。私の頭が腐ってきてるからです(死)
『おまけ すとぉりぃ』
<翌朝>
瀬能「鉄生先生、今日は元気ないですね。やっぱり昨日眠れなかったんでしょうかね?」
鞍智「それに比べて、陵刀先生はいつにもましてイキイキしてるな。」
・・・・・・・・・・
瀬・鞍「ま、まさか!!」
鞍智「岩城!」
鉄生「あぁ・・・鞍智。おはよぅ・・・」
鞍智「オメデトウ岩城。今日は赤飯炊かないとな!」
鉄生「ぇ?」
おそまつ(死)
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