『Honey』


朝、目が覚めると、目の前には見慣れた天井があって・・・
でもそれは自分の部屋のものではなくて・・・

「おはよう、鉄生くん。」
隣から聞こえた声で、初めてココが何処なのか認識した。
ああ、昨夜コイツん家に泊まったんだっけ。
「はよ・・・今何時だ・・・?」
まだ頭がボーッとしている。
「6時過ぎだよ。」
「まだそんな時間かぁ・・・」
「もう少し寝る?」
「んー・・・起きる・・・」
俯せて、枕に顔を押しつけながら答える。
「じゃあ、テレビでも見る?」
「ん・・・」
他にすることもないし、その体勢のままとりあえず返事をする。
陵刀は、傍らにあったリモコンでテレビの電源を入れた。
“今日の星占い〜!!”
ブラウン管の中から聞こえてきたのは、高い女の声。
占いなんて別に信じてるワケじゃないけど、ちょっと気になって見てしまう。
“牡羊座さんは、心身共に疲れやすい日。コーヒーでも飲んでリラックスしましょう!”
「・・・だってさ、鉄生くん。コーヒー飲む?」
俺の髪を指に絡めるようにして弄びながら、陵刀が尋ねる。
「俺、コーヒー飲めない・・・」
「あぁ、そうだったね。」
心なしか、小さく笑われたような気がした。
「なんだよ・・・」
「別に。ただ、鉄生くんって子供っぽい飲み物とかの方が好きだよねって思っただけ。」
「だって俺、甘いモン好きだし・・・。コーヒーってニガいだけじゃん?」
「それが美味しいんだけどね。・・・僕、コーヒーを淹れに行くけど、鉄生くんは何か飲みたいものある?」
ギシッとスプリングを軋ませ、陵刀がベッドから抜け出る。
陵刀がいた部分には体温が残っていたが、布団の外から入った冷気に少し体を震わせた。
「なんか、あったかいモンがいい・・・」
俺は毛布を全部自分の方に引き寄せながら言った。
「わかった。ちょっと待っててね。」
そう言って陵刀は部屋を出て行った。

10分後。
毛布にくるまったまま、ぼんやりテレビ画面を見ていると、陵刀がカップを2つ手にして戻ってきた。
「はい、ドーゾv」
「さんきゅ。」
受け取ったカップの中身を口に含む。
「・・・甘い。」
カップの中を見ると、薄茶色の液体が入ってる。
「コーヒー牛乳。これなら鉄生くんでも飲めるでしょ?」

そのコーヒー牛乳からは、ほんのり蜂蜜の味がした。


*Have a nice day♪*                       

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〜あとがき兼いいワケ〜

あれ〜?もっとラブい感じになるはずだったんだけどな〜・・・
なんか鉄生が素っ気ない子になっちゃったよ。
テーマは「恋人たちの朝(( ´,_ゝ`)プッ)」のハズだったのよ。
私には夫婦漫才書いてるのがお似合いってコトなんだろうね(爆)
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