『Scene2:再会?』(kai編)


あれからすぐにてっしょうを追うためにりょうとうは家を出た。
行き先なんて永谷似園か・・・REDしかない!
悩みはしたものの、とりあえずREDから探しに行ってみることにした。
正面玄関を抜け二科に向かって廊下を歩いていたりょうとう。
その正面からものすごい勢いで走ってくる人が目に入った。
それは只今の探し人である・・・
「てっしょうくん!!もう逃がさないよ」
まさに野生動物並みの勢いで逃げる鉄生の腕を今度は逃がすものかと言わんばかりに 掴みかかるりょうとう。
「り、陵刀!…お前さっき二科にいたんじゃ…!?」
いきなり腕をつかまれたこととその掴んだ人物にびっくりする鉄生。
(??? 俺、陵刀から逃げてきたのに・・・先回りされた?やっぱりこいつ、こえぇ!!)
「何言ってるの??朝からうちに一緒に…ってそんなことよりさっさと着替えちゃっ てそんなに僕より患畜がいいの?」
いったい何がそんなに気に入らなかったのかわからない上、せっかく2人の休みが重なった休日・・・
ゆっくり甘い1日が過ごせるとウキウキしていたのに。
恋人をほっぽって仕事をしようとしているてつしょうに少し腹が立ったらしい、りょ うとうの顔がちょっとむっとしいる。
「そりゃ患畜は大事だけど…俺昨夜は永田似園にいただろ?」
怪訝そうな顔で答える鉄生。
彼にしてみれば陵刀が何を言っているのかさっぱりわかない。
いつもの嫌がらせなのだろうか?とさえ思えてしまう。
「どっかで頭ぶつけた?それともまだ怒ってるからそんなこと言うの?」
(あのいつも素直でおばかなところがかわいいてっしょう君が・・・僕に嫌がらせを するなんて・・・)
一人訳のわからなところでショックを受けているその男・・・りょうとう。
そしてそれを顔に出さないようにしているらしいのだが、時すでに遅し・・・
でもそれに、気づいていないご様子。
「そ、そうだった!俺はまだお前のこと許したワケじゃないんだからな!」
いきなりの陵刀の出現と発言にびっくりしていて、当初の目的を忘れかけていたおばかな鉄生くん。
りょうとうのまだ怒ってるの?発言で我に返ったらしい。
食べ物の恨みは強かった。
「やっぱり…とにかくもう逃げないで!腰だって痛いだろうに」
(あれだけ痛がっていたからREDに来る途中でうずくまっているのではと心配していたのに・・・
 院内でも走っているなんて・・・そんなに僕のこと嫌かなぁ?)
「腰?何のことだ?俺はさっきのケーキのことで怒って…」
(なんでケーキ食われて腰が痛くなるんだ???)
「ケーキ?…なんかさっきからおかしなこと言ってるけど、もしかしてそれも嫌がらせとか?」
(おかしい!てしょうくんの嫌がらせにしては手が込みすぎてる気がする???)
やっとてしょうの様子がおかしいと気づき始めた(自称てっしょうくんの恋人は僕以 外ありえないと言い張る)りょうとう。
しかし、どう見ても目の前にいる人物は、朝自分の元から逃げ出した恋人である。
目の前で話しているのは愛しい愛しいあの子・・・だって証拠に昨日つけた痕があるはずだと鉄生を眺め回す。
「おかしいのはお前の方だろ!?…何でもいいから仕事しろよ!」
りょうとうの変態的な目線に気づかない鉄生。
しかし悪寒は走っている模様・・・野生の感だろうか?
そして、言ってる意味が理解できない上、まだ俺は怒ってるんだといわんばかりに怒る鉄生。
その上、おかしいのはいつものこともの事なのでそのまま立ち去ろうとする・・・
「仕事は今日は休み…てっしょうくん!ちょっとこっちきてくれる?」
またもや、りょうとうに腕を引っ張られてしまう鉄生。
ここぞとばかりに人目のつかない物影にひっぱり込むりょうとう。
「ちょっ、まだ患畜が…!」
本当に陵刀の行動がわけがわからなくて戸惑う鉄生。
「まぁまぁ、とりあえずこの辺でいいか。僕も頭に血が上ってたよ…てっしょうくん がそんな回りくどい嫌がらせとかするわけないよね?」
小さい子をあやす様にさっきまでのとげとげしさがなくなった穏やかな声でてっしょうに話しかけた。
「さっきから嫌がらせ嫌がらせって…そりゃ腹は立ってるけど、嘘は言ってねぇだろ!」
若干子供扱いされていることにむくれてはみたものの、さっきまでの怒気が消えていることに少しほっとする鉄生。
「…やっぱりおかしい。1から話を照らし合わせてみようか?僕は朝からてっしょうくんとうちにいて喧嘩と言うかやつあたりされたんだよね?」
さっき、いやらしい回想とともにてっしょうの体を眺め回していたりょうとうはある事が気になっていた。
そう、昨日自分が付けた首元の痕がないのである。
「だーかーらー、俺昨夜は永田似園にいたって言ってるだろ!いい加減怒るぞ!」
またもや話がループ・・・
いけない・・・このままでは埒が明かない、と思ったりょうとうは・・・
「…喧嘩の原因を確認してもいいかなぁ?」
一番重要なところだけ聞いてみることにした。
「お前が俺のチーズケーキ食ったんだろ!この期に及んでとぼける気か!?」
当然反省しているなら許してやろうという気がなかったわけではない鉄生。
しかし、まだシラをと通す気でいるらしとしか取れないりょうとうの態度にまた腹が立ってきた。
「チーズケーキ…?」
りょうとうにしてみればケーキなんて訳がわからない。
言葉を発するよりも先にてっしょうの服を捲り上げて・・・
「てっしょうくんちょっと失礼…昨日付けた跡がない!!じゃぁ君は誰??」
しかしやはりどこをどう探してもキスマークのひとつもでてこない。
おかしい、確かに昨日付けたのだ・・・甘く乱れるてうしょうに自分のモノだといわんばかりに。
さすがのりょうとうも少し混乱気味になっている。
「誰って…岩城鉄生だよ!お前今日マジでおかしいぞ?」
そんな、発言と行動を見てますます混乱する鉄生。
「てっしょうくんなのは間違いないのに…でも何か違う!やけに可愛らしいような気もするしvV」
混乱しているからなのか?それともただの天性の変態だからなのか?発言のおかしいりょうとう。
そんなりょうとうに少し引き気味な鉄生は
「何ブツブツ言ってんだよ…もういいだろ!俺は仕事に戻るぞ」
ただでさえケーキを取られてご立腹な上、訳のわからない発言&行動の嵐。
さっきまではあんなに謝っていたのに・・もうからかいに来たのかと鉄生が思ってしまっても仕方のないことであった。
半分あきれた状態で早く仕事に戻って余計なことを考えないようにしたい鉄生はりょとうをほってっさと歩き出していってしまった。
「てっしょうくんであっててっしょうくんじゃないとすると…どこかに本物が居る筈だろうから…ちょっと待って僕も一緒に行くよ!」
ぶつぶつと納得のいかない様子のりょうとう。
でも、ここに突っ立ていても仕方がない…。
それに、今目の前にいるてしょうと行動を共にして損はないと言う考えに行き着いたご様子。
置いてきぼりを食らわないように小走りで鉄生の後を追っていった。


*つづく*

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

〜kai様へ〜

kai様が早くからこれを書いてくださってたのに、私が遅くてスイマセン・・・
あ、私のファンなんて、たぶんどこを探してもいませんので、その辺はご心配なく!
次から大変になりそうですが、ヨロシクお願いしますm(__)m
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送