<とりあえず注意書き>
この小説には、
・陵刀にまるめ込まれない、男前鉄生
・鉄生のシリに敷かれる、超ヘタレ陵刀
・同人大好き!腐女子瀬能
・笑顔の裏は実は腹黒、リン

が混在しています。
これらの設定が苦手な方は、回れ右することをお勧めします。
どんと来い!な方はスクロール↓↓↓































『恋は鉄の味♥』


陵刀司は悩んでいた。
というのも、3日前・・・

「てっしょーくんv」
「な、なんだよイキナリ・・・」
「みてみて〜」
「うっわ、何だよソレ・・・」
陵刀の手の中のモノを見て、鉄生は顔をしかめながら尋ねる。
「オトナの玩具ってヤツ?」
「俺に聞くなよ・・・。で、お前はソレをどーしたいんだ?」
「今日はコレで鉄生くんと遊ぼうと思ってv」
「ヤだぞ、俺は!」
「え〜、いいじゃない。ね?」
逃げようとしたが、いとも簡単に伸びてきた腕に捕らえられてしまった。
「ヤダって・・・ちょっ・・・ぎゃああぁ!!」
―終了。―
「どうだった、鉄生くん?」
「俺は・・・そんな玩具じゃなくて、お前のが良かったのに・・・」
相手を挑発するように少し上目遣い気味でそう答える。
「鉄生く・・・」
「でもお前は俺にそんな玩具挿れて満足なんだもんなぁ?っつーコトで、しばらくナシな♪」
鉄生は、鼻の下を伸ばす陵刀を横目に、にっこり笑って無情にそう良い放った。

それ以来、おあずけどころか、口もまともにきいてくれないのだ。
機嫌を直して貰おうと、鉄生の好きな食べ物を持って行っても、
「俺はそんなモンで吊れるほど軽くねぇ!バカにしてんのか、てめぇ?」
と冷たく返される始末。
いくらなんでもこのままではいけないと思った陵刀は、男のプライドを捨て、素直に謝ることにした。

「ゴメンね鉄生くん。まだ怒ってる・・・?」
陵刀は、机に向かってカルテを書いている鉄生に声を掛けた。
「・・・」
「そうだよね・・・。元はといえば僕が悪いんだし、そんな簡単に許してくれるワケないよね・・・」
延々と謝り続けること約10分。
さすがに可哀想だと思ったのか、鉄生がため息まじりに口を開いた。
「まぁ、俺も少しキツく言い過ぎたっていうか・・・その・・・嫌いに、なったか・・・?」
少し言い過ぎたかなと反省した鉄生は、伺うようにそろりと視線を向け、陵刀の端整な顔をじっと見つめた。
「なるワケないでしょ・・・」
(可愛いぃ!もう、鉄生くんってば可愛すぎvあぁ今すぐ食べちゃいたい!はぁはぁ・・・
 昼間の職場でにゃんにゃん・・・・イイかもしれないvv資料室あたりなら、デキるかなぁ・・・ふふふv)
不埒なことを考え、鉄生の仕草に今にも鼻血が出そうになるのをグッと耐える陵刀。
彼はもうだいぶいい歳のハズだが、いいのか、そんなに青くて?
・・・なんて疑問は、今は頭の片隅に追いやって頂きたい。
ともあれ、いつものポーカーフェイスを顔に貼り付けると、いつものようにニッコリ微笑む。
鼻血が出そうだなどということをこれっぽっちも出さないのが、陵刀たる所以・・・かどうかは、分らないが・・・
「本当に?」
まだ不安なのか、念を押して聞いてくる鉄生。
コレを計算でやっていないあたりが、中年オヤジもとい変態恋人のハートを鷲掴みにして離さないのだろう。
「本当に。」
その可愛らしい顔に、陵刀はゆっくり自分の顔を近づけながら答える。
「本当に本当?」
「本当に本当。」
そのまま唇を、不安げに自分を見ている鉄生の唇に向ける。
「陵刀・・・」
鉄生は少し顔を赤らめながらそっと瞼を閉じた。
「鉄生くんv」
触れるだけの小さな口づけをする。
啄むだけの軽いモノだったが、陵刀がわざとちゅ・・・っと音を立てたので、気恥ずかしさが増した鉄生は顔を真っ赤に染めた。
「クスッ、顔赤いよ?・・・可愛いv」
「うるさぃ・・・」
「今夜はちゃんと優しくスルから、ね?」
「俺は別に・・・ヒドくしても・・・」
二人を取り巻く空気はバラ色で、効果音を付けるとするならばイチャイチャといったところだろうか・・・

「先生方〜、仕事して下さ〜い。」
誰もが邪魔しがたく、笑う子さえ黙りそうなこの空気をぶち壊すことなど、永田似園で逞しく育った彼女にとっては造作もないことだった。
「あれ、瀬能さんいたの?」
「せ、瀬能さん、これは別に・・・あの・・・」
慌てて取り繕う鉄生は、すでに自分たちの関係が二科どころかRED全体に知れ渡っていることなど知らないらしい。
「何ですか?私は何も見てませんけど?」
微笑を浮かべながらも、とりあえず知らないフリをする瀬能。
だてに人物紹介欄に『鉄生のよき理解者』と書かれているわけではないようだ。
「冬コミの新刊のネタとかにはしないでねv」
即座にそう瀬能に告げる陵刀。どうやら瀬能の腐女子の才能に気がついているようだ。
そう、彼女はイベント当選率90%、知る人ぞ知る、大手壁際鉄生総受けサークルなのだ。
それを見破るとは、侮り難し、陵刀司!!
実は彼も密かに瀬能の本を購入しているとかいないとか・・・
「??(冬コミって何だ?)」
もちろん鉄生には未知の世界・・・話が分るはずもなく、?マークを頭の上に飛ばすばかりだ。
「大丈夫です。冬の新刊は、『リン鉄植物プレイモノ』ですからv」
リン鉄!?しかも植物プレイ・・・
木で作った貼り型を入れたりするのだろうか?
「僕の鉄生くんにリンの相手させるのは気に入らないけど、植物プレイって言うのは面白そうだねv」
良いのか、陵刀!?
まぁ、しょせん好き嫌い無しの男・・・楽しければ何でも良いようだ。
「おい、俺がいつお前のモノになったんだ?」
話が掴めないまま、とりあえずそこにだけは食いつく鉄生。
「違うの?さっきまで「ヒドくして」とか言ってたのに。」
「あ、あれは・・・」
そうだと言えばそうだが、違うと言えば違うような・・・と返答に困る鉄生に、陵刀はさらに拍車を掛ける。
「植物使って、触手プレイとかしてあげようか?」
「なっ、そんなこと出来るわけ・・・」

「触手デスカ?本当に出来マスヨ♪」
鉄生が言い切る前に、どこからともなくカタコトの日本語が聞こえた。
「ん?いつの間に現れたの、リン?」
「さっきからずっとそこの植木と話してマシタ。彼に頼んで・・・」
ニコニコと穏やかに部屋の端に置かれた鉢植えの木を指さした。
「リ、リン、頼まなくていいから・・・」
瞬間、植木がザワリと動いたので、恐ろしくなった陵刀は即座に止める。
「あのさ、話の方向性がさっぱり分んねぇんだけど?」
鉄生はまた話の方向を見失い、とりあえずリンに聞いてみる。
「話の方向デスカ?キミをどうやってイジメるか・・・」
「リン、ちょっと黙っててくれない?」
すかさず割ってはいる陵刀。それは、愛故の行動なのだろうか?
「瀬能さん、アイツら何の話してんだ?」
仕方ないので、瀬能にも聞いてみたが・・・
「この際、3Pっていうのはどうでしょうか?」
あっさり無視されてしまった。
がっくりとうなだれる鉄生の肩を、犬がぽんっと叩いて慰める。
「それはダメだよ、瀬能さん。鉄生くんのあんなイヤらしい顔、勿体なくて見せられないよ。」
「陵刀先生って意外と独占欲が強いんですねぇ。」
「昔は、関係した相手は掃いて捨てるほど居たノニ・・・」
「掃いて捨てるほど・・・?何だよお前・・・俺もその内ソイツらみたいに捨てるのかよ・・・?」
リンの言葉にピクリと反応した鉄生は、陵刀を睨み付けた。
「違うよ鉄生くん!リン、余計なこと言わないでくれる!?」
「岩城クン、捨てられたらいつでも僕の所に来ていいデスヨv」
可愛がってあげますカラvとのんきに告げるリン。腹黒い・・・
「修羅場ってヤツですね♪」
そんな三人の姿を、次の新刊のネタにしようとメモを片手に見守る瀬能。
「俺のことが単なる遊びだったんなら・・・ブチのめす!」
そう言った鉄生の右手に握られているのはなんと、鉄パイプ!
さすが元ヤン。手慣れた様子で素振りしながら、陵刀に向かって一歩一歩近づいていく。
「てっ・・・落ち着いて!そんな危ないモノしまって・・・」
前進する鉄生に対して、陵刀はじりじりと後退していく。
「どこから出したんでしょうね、鉄パイプ?」
「瀬能さん、ツッコむべき所はそこじゃないデスヨ。」
自分たちに被害がないなら構わないとばかりに、リンと瀬能はミニ漫才を繰り広げていた。
「で、どうなんだ?」
「そんなの、鉄生くんを好きに決まってるじゃないか!」
「わ〜、崖っぷちに立たされた状況での告白ですかぁ?」
「そういうのって、信用できないデスヨネ。」
無意識なのか、はたまたいつもの仕返しか・・・
リンの言葉が鉄生の火に油を注いだ。

「陵刀の・・・馬鹿野郎ぉっ!!」
ぶんっと鉄パイプを振る鉄生。
「Σひぃ!!」
陵刀は、なんとかそれを紙一重で避けることが出来た。
「わぁ!凄いことになってきましたね・・・」
「僕たちは黙って見てることにシマショウ。」
アクション映画さながらのその様子を楽しげに見つめるギャラリー二人・・・
「使いモンにならなくしてやるっ!」
鉄パイプを振り上げ追いかけ回す鉄生と逃げる陵刀。
あれ?なんだかいつもと立場が・・・
「それだけはっ!ホラ、そんなことになったら、鉄生くんも困るでしょ!?」
それを聞いて、鉄生はかぁぁっと顔を赤らめる。
「・・・っの変態野郎っ!!」
振った鉄パイプが、その表情に一瞬気を緩めた陵刀の顔面に直撃した。
「ぶっ!!」
飛び散る鼻血、顔を押さえ痛みにその場にうずくまる陵刀。
「じ、自業自得だ!」
やべぇ、マジで殴っちまった・・・と内心狼狽しながらも、なんだか素直になれなくて、鉄生は陵刀に背を向けた。
「鉄生くん・・・」
涙まじりの声に、申し訳なさがつのる。
「泣くなよ・・・」
「あ、夫婦喧嘩が終わったみたいですよ?」
どうやら夫婦喧嘩は陵刀の鼻血によって終了したらしい。
「悪かったって・・・」
鉄生は整った顔に流れる不似合いな血を、自分のリストバンドで拭ってやる。
「鉄生くん・・・」
捨て犬のような顔をしながら、陵刀はギュウッと鉄生を抱きしめた。
「情けないデスネェ、司・・・」
そんな、見たことのない陵刀の姿を新鮮に思いながら、リンは笑顔で陵刀をけなす。
「なんか、始めに戻っちゃいましたね。」
「あんな感じだったんデスカ?」
外野の声は、既に自分たちの世界に入ってしまったバカップル二人には届かないらしい。
「ちゃんと、俺だけ見てな・・・?」
「当たり前でしょv」
まだ鼻血の跡が残るその顔をハンカチで拭いながら愛を誓う陵刀は、端から見たらどんなに滑稽だろう・・・
しかし今の鉄生には、どこの国の王子様よりも、どこのスーパモデルよりも格好良く見えた。
「仲直りしちゃいましたよ。」
「面白くないデスネ・・・」
あわよくば、二人の仲を裂きたかったリンは、少し面白くなさそうだ。
さて、この空気をどう壊し、割って入ろうか思案していたその時・・・
「お前ら、頼むから仕事をしてくれ・・・」
ヘトヘトに疲れ切った表情の院長にそう声を掛けられ、皆は今が仕事中であったことを思い出したのだった。


*ヲワリ*

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〜あとがき兼いいワケ〜

なんと!あの「ネオグロ」の内子様と合作をしてしまいました!!
きゃ〜v幸せですvv
しかもこの話は、セリフを交えながら二人でメールをしていた時に偶然(?)出来上がったものです。
描写などの仕上げはほとんど内子様に任せてしまいました・・・。
ホント、申し訳ないやら有り難いやらm(__)m

こんな男前鉄生&ヘタレ陵刀を書いたのは初めてだったのですが・・・
楽しいですね、コレv癖になりそうですvv
鉄パイプ鉄生はもちろん、鼻血陵刀なんて普段なら書けないですよ。
貴重な体験をありがとうございました〜vv
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